名鉄岐阜市内線がまだあった頃 (平成17年3月5日撮影)(平成18年5月16日掲載)

 平成17年3月31日限りで廃止された、名古屋鉄道の岐阜市内線(岐阜駅前〜忠節),揖斐線(忠節〜黒野),美濃町線(徹明町野一色上芥見),田神線(田神〜競輪場前)。
廃止される前に、乗りに行ってきました。
 ここでは、岐阜市内線廃止時の事実上起点(※1)である新岐阜駅前電停,美濃町線との乗り換えの徹明町電停,中間にある早田電停,揖斐線との境界である忠節駅,そして併用軌道と専用軌道の境界(忠節駅付近)を紹介します。

新岐阜駅前電停,徹明町電停  
岐阜市内線,揖斐線「新岐阜駅前」電停に到着した電車。

行き先表示が回っている途中に撮してみました。
岐阜市内線,揖斐線「新岐阜駅前」電停に到着した電車。
岐阜市内線,揖斐線「岐阜駅前」電停(※1)方向に少し走って行きます。
岐阜市内線,揖斐線渡り線を渡っています。
岐阜市内線,揖斐線「新岐阜駅前」電停、忠節方面乗り場に到着した電車。 岐阜市内線,揖斐線,美濃町線徹明町電停付近

岐阜市内線新岐阜方面電停から、発車した電車を撮影。
左奥には、美濃町線電車が見える。
早田電停付近  
岐阜市内線,揖斐線駅名標・・・。

左方向が西野町
右方向が忠節
岐阜市内線,揖斐線平面電停! (緑色の部分)

歩道上、バス停のように建っている看板は、岐阜市内線早田電停の時刻表です。
岐阜市内線,揖斐線岐阜市内線,揖斐線自動車やバスと一緒に忠節橋を渡る電車。 岐阜市内線,揖斐線早田電停に停車した電車。

乗降口には、ステップが出ています。
併用軌道と専用軌道の境界  
岐阜市内線,揖斐線併用軌道と専用軌道の境界

専用軌道に入って、少し行くと、忠節駅がありました。
岐阜市内線,揖斐線早田電停方向から電車が来ました
岐阜市内線,揖斐線専用軌道から電車が出てきました。 岐阜市内線,揖斐線2台の電車のすれ違い
岐阜市内線,揖斐線専用軌道へ電車が入っていきます。  
忠節駅  
岐阜市内線,揖斐線忠節駅

岐阜市内線と揖斐線の境界駅ですが、ほとんどの列車は直通運転されていました。
岐阜市内線,揖斐線高さが2段階あるホーム

岐阜市内線から来た列車は、低床ホームに停まります。
低床ホームの端にある「ステップ」は、この駅を出発する前に高床駅用ステップを出す指示と思われます。
岐阜市内線,揖斐線岐阜市内線,揖斐線低床ホームに停まり(左)、その後、高床ホーム用ステップを出した電車(右)。 岐阜市内線,揖斐線路面乗降用ステップ。
低床ホームは、このステップの高さに合わせています。
大正生まれの510型  
岐阜市内線,揖斐線,美濃町線岐阜市内線,揖斐線,美濃町線かつて、岐阜市内線〜揖斐線直通列車に使用された510型。

一般運用から外れて、すでに久しいですが、この日は、団体列車として美濃町線で運転されていました。

(美濃町線車内から撮影)


※1:「新岐阜駅前」〜「岐阜駅前」は、JR岐阜駅前の工事のため、平成15年12月1日より運転を休止していました。とは言っても、それまででも、折り返し時間に余裕があるときだけ、「岐阜駅前」まで運転されるのみで、本当に「岐阜駅前」まで運転される電車はほとんど無かったそうです。(岐阜駅前停留所にも、遅延時には新岐阜駅前で折り返す、ということが書いてありました)


 平面電停、自動車の軌道敷内通行可・・・といったように、路面電車としては条件の悪かった岐阜市内線。しかも日本有数の車社会である名古屋文化圏に存在していました。廃止になってしまったのは残念ですが、むしろ、21世紀まで残ったことが奇跡であったかも知れません。
 岐阜市内線が、このときまで残ったのは、“岐阜市民の足”というよりも、「揖斐線の岐阜市中心部直通」という使命を持っていたから、と思われます。揖斐線は、岐阜市内線に直通することで、利便性が向上するわけで、もし、それぞれの運用が別であったり、はたまた、どちらかが先に廃止になっていたら、おそらく、平成の時代まで生き残っていることはなかったでしょう。

 なお、余談ではありますが、美濃町線とは徹明町で線路が繋がっていました。(上の写真) 



名古屋鉄道 揖斐線がまだあった頃に行く



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