名鉄美濃町線がまだあった頃2(北一色〜野一色) (平成17年3月5日撮影) (平成16年6月5日掲載)

 平成17年3月31日限りで廃止された、名古屋鉄道の岐阜市内線(岐阜駅前〜忠節),揖斐線(忠節〜黒野),美濃町線(徹明町〜野一色〜関),田神線(田神〜競輪場前)。
廃止される前に、乗りに行ってきました。
 ここでは、美濃町線北一色電停,野一色駅,そしてその間に存在する併用軌道と専用軌道の分界点を掲載します。(岐阜中心部はこちら上芥見駅付近はこちら新関〜関はこちら。)

 なお、撮影当日のスケジュールとして、「徹明町」→(野一色)→「上芥見」→「新関」→「関」→「野一色」・・・「北一色」→「(名鉄)岐阜」と言う順番で回りました。つまり、掲載順と撮影順は必ずしも一致しません。
 また、文章中には「駅」と「電停」が混在していますが、この章では、ホームに鉄道仕様の駅名標が建っている場合は「駅」、併用軌道区間の平面電停は「電停」としました。

北一色電停  
美濃町線 北一色電停名鉄の併用軌道の常識(?)

平面電停です。
美濃町線 北一色電停北一色電停の待合所
美濃町線 北一色電停美濃町線 北一色電停続行運転している
「新関」行き(奥)と「日野橋」行き

車両から推測して、「新関」行きは「名鉄岐阜」(新岐阜)始発で、「日野橋」行きは「徹明町」始発、と思われます。
 美濃町線のうち、この「北一色」電停の少し先までは、岐阜市内線と同様の併用軌道が続きます。やはりこちらも、全てがこのような平面電停です。 また、徹明町始発の「野一色」「日野橋」行きは、野一色駅で、「岐阜」始発の「新関」「関」行きと接続するため、このような続行運転形態が取られていました。
併用軌道と専用軌道の分界点  
美濃町線 野一色付近北一色電停と野一色駅のあいだ、
道路から分かれる部分。

ただし、この先ずっと専用軌道・・・と言うわけではありません。
美濃町線 野一色付近美濃町線 野一色付近徹明町行きが来ました。
美濃町線 野一色付近美濃町線 野一色付近続いて、岐阜行きが来ました。

この車両は、美濃町線電車の「新岐阜」駅乗り入れのためにつくられた、複電圧車両です。
 「北一色」電停と「野一色」駅の間で、併用軌道から専用軌道へと切り替わります。その瞬間から、車窓も市内電車から郊外電車のようになります(IKKI COMIX(小学館)「鉄子の旅」第2巻61ページ参照)。 岐阜市もこのあたりまで来ると、市街地という雰囲気では無くなってきていますが、岐阜市そのものは、まだしばらく続きます。
野一色駅  
美濃町線 野一色駅野一色駅に停まっている、日野橋行き。

奥には、新関行きが停まっています。
美濃町線 野一色駅岐阜行きが到着して、新関行きが発車していきます。
美濃町線 野一色駅発車していく岐阜行き。 美濃町線 野一色駅美濃町線 野一色駅野一色駅の新関方面ホームにある、駅名標
美濃町線 野一色駅美濃町線 野一色駅美濃町線 野一色駅美濃町線 野一色駅野一色駅全体。

片方のホームは、ホームが広いのではなく、道路との境界が無いだけです。
美濃町線 野一色駅徹明町側にある踏切から、駅全体を撮影。 美濃町線 野一色駅本当に、道路とホームの境界がない・・・。
 「徹明町」発の「野一色」「日野橋」行き列車と、「岐阜」発の「新関」「関」行きが、連絡する駅です(岐阜、徹明町方面も同様に連絡)。ただ、乗り換え券などは発行せず、電車から降りて、すぐ、前の電車に乗る、といった感じでした。 
 併用軌道から専用軌道へ・・・この駅を境に、通称“市内線”と“郊外線”に分けられ(均一運賃やフリーきっぷが「日野橋」駅までなので、日野橋駅までを市内線と扱う場合もあります)、“市内線”は岐阜市内線同様に併用軌道で平面電停、それに対し“郊外線”はほとんどが専用軌道(といっても半路面な場所も多かったが)で、ほぼ全てがホームを有する駅でした。で、この、野一色駅は、岐阜市内・揖斐線で言えば、鉄軌分岐点の「忠節」駅のような地位の駅ですが、駅そのものは「上芥見」駅に次いで、ある意味すごい駅であったと思います。


 美濃町線の野一色駅付近までは、前述のように、併用軌道となっていました。また、岐阜市内線同様に、軌道敷内の車両(自動車)通行も可でした。最後に、北一色電停から岐阜行きに乗車して感じたことは、軌道敷内に自動車が当たり前のように走っていて、電車が接近すると仕方なくよけている・・・電車の方が遠慮がちに走っていた、そんな感じでした。乗車は、土曜の夕刻でしたが、平日朝夕は、もっと悲惨な状況だったかも知れません。



名鉄美濃町線がまだあった頃1(岐阜付近)に行く
名鉄美濃町線がまだあった頃3(上芥見付近)に行く
名鉄美濃町線がまだあった頃4(新関〜関)に行く



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