日本一のミニ私鉄 紀州鉄道 (平成16年9月4日撮影) (平成17年12月5日掲載)

日本一のミニ私鉄(※1)「紀州鉄道」に乗ってきました。
営業キロは2.7kmしかなく、いつ廃止されてもおかしくないような鉄道ですが、今日も元気に走っています。

JR紀勢本線御坊駅の端っこで
出発を待つ、西御坊行き列車。

とてもレトロな車両。(キハ600型)
終点の西御坊駅に到着した列車。 かつて
西御坊からさらに先に伸びていた線路。

西御坊から0.7km先の「日高川」駅まで運行されていました。
西御坊駅と
出発を待つ、御坊行き列車。
レトロな?車両の車内。
「紀伊御坊」駅

車庫および営業所があります。
紀伊御坊駅構内で停泊中の車両。
(キハ600型)

この鉄道には、さらに「キテツ1型」という、レールバスもあるのですが、見ることはできませんでした。(シャッター降りた車庫の中にあったと思われます)
「学門」駅

入場券は、入試のお守りとして、売れているそうです。(紀伊御坊駅で販売)
学門駅〜御坊駅(1)

走っている列車。
学門駅〜御坊駅(2)

走っている列車。(写真左が進行方向)

シャッターを押してから、シャッターが切れるまでのタイムラグがあったため、先頭がフレームアウトしてしまった・・・。

この写真を機に、新しいデジタルカメラを購入する決意をしました。
2000年登場した、キテツ1型の同形車両
(北条鉄道フラワ1985型:粟生駅:昭和62年夏撮影)


キテツ1型は、もとは、北条鉄道で走っていた車両で、この車両の色違いです。
この日、キテツ1型は車庫に入っていたらしく、目にすることはありませんでした。


 紀州鉄道の前身、「御坊臨港鉄道」が設立されたのは、昭和3年。 国鉄紀勢本線(当時は紀勢西線)御坊駅が街の外れに作られることが決定したため、その駅と市街地をむすぶ鉄道として設立されました。 そして、開業当初は、大変にぎわっていたようですが、昭和40年代に入ると、自動車の普及により、他のローカル私鉄と同様に、経営難に陥ってしまいました。
 存続が、風前の灯火となっていた御坊臨港鉄道でしたが、昭和47年に、リゾート事業を手がける不動産業者に買収され、翌年、名前も「紀州鉄道」とされました。これは、この不動産業者は、“鉄道会社の不動産部門”という信用を得ることで、事業拡大を狙ったと言われています。つまり、紀州鉄道グループにとって、鉄道はグループの「看板」となり、鉄道存続による赤字はグループの「宣伝費用」となったわけです。 これは、「御坊臨港鉄道」が、非常に小規模な鉄道会社であった(鉄道以外の事業は、ほとんど行っていなかったようである)ことが、逆に幸いしたと言えます。 (余談ではありますが、その不動産業者は、もと鉄道会社の経営陣が興した会社だそうです。)
 「御坊臨港鉄道」改め「紀州鉄道」は、グループの看板となったことで存続が確定しました。その後、乗客数が非常に少ない末端部分の廃止はありましたが、それ以外は廃止の様子は全くなく、列車は今日も元気に走っています。

※1 2005年11月現在、日本で一番営業キロの短い私鉄は、「芝山鉄道」の2.2kmですが、運行形態は京成電鉄の1路線のようになっていいます。そのため、注釈付きながら、紀州鉄道を日本一のミニ私鉄と認めるのが、一般的となっています。


紀州鉄道ホームページ

kishu railway(紀州鉄道株式会社−鉄道事業)

北条鉄道(個人作成?)



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