日本一のミニ私鉄 紀州鉄道 (平成16年9月4日撮影) (平成17年12月5日掲載)
日本一のミニ私鉄(※1)「紀州鉄道」に乗ってきました。
営業キロは2.7kmしかなく、いつ廃止されてもおかしくないような鉄道ですが、今日も元気に走っています。
紀州鉄道の前身、「御坊臨港鉄道」が設立されたのは、昭和3年。 国鉄紀勢本線(当時は紀勢西線)御坊駅が街の外れに作られることが決定したため、その駅と市街地をむすぶ鉄道として設立されました。 そして、開業当初は、大変にぎわっていたようですが、昭和40年代に入ると、自動車の普及により、他のローカル私鉄と同様に、経営難に陥ってしまいました。 存続が、風前の灯火となっていた御坊臨港鉄道でしたが、昭和47年に、リゾート事業を手がける不動産業者に買収され、翌年、名前も「紀州鉄道」とされました。これは、この不動産業者は、“鉄道会社の不動産部門”という信用を得ることで、事業拡大を狙ったと言われています。つまり、紀州鉄道グループにとって、鉄道はグループの「看板」となり、鉄道存続による赤字はグループの「宣伝費用」となったわけです。 これは、「御坊臨港鉄道」が、非常に小規模な鉄道会社であった(鉄道以外の事業は、ほとんど行っていなかったようである)ことが、逆に幸いしたと言えます。 (余談ではありますが、その不動産業者は、もと鉄道会社の経営陣が興した会社だそうです。) 「御坊臨港鉄道」改め「紀州鉄道」は、グループの看板となったことで存続が確定しました。その後、乗客数が非常に少ない末端部分の廃止はありましたが、それ以外は廃止の様子は全くなく、列車は今日も元気に走っています。 |
※1 2005年11月現在、日本で一番営業キロの短い私鉄は、「芝山鉄道」の2.2kmですが、運行形態は京成電鉄の1路線のようになっていいます。そのため、注釈付きながら、紀州鉄道を日本一のミニ私鉄と認めるのが、一般的となっています。 |
紀州鉄道ホームページ
kishu railway(紀州鉄道株式会社−鉄道事業)
北条鉄道(個人作成?)
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